2006/12/20

堀川@みらいです。2006.12.20(水)の観測レポートです。

天候・海況:
曇り。一部晴れ間もあるがほとんどが雲に覆われる。
積雲、雄大積雲が広がる(写真1)。晴れ間にのぞく上層には巻積雲も見られる。
波は比較的穏やかで、波高は終日3.5m程度。

航行状況:
シンガポール出航から本日までは、インドネシア排他的経済水域の観測許可未取得域を回航していたため、気象・海洋の各種観測は停止していました。本日深夜にこの無害航行域をぬけて、最初の観測点(19.33N,122.34E)に到着します。明日からは、気象・海洋の各種観測が開始されます。ちなみに、私は練習のため、回航中ですが観測を行っていました。

観測状況:
水蒸気採取、降水採取ともに順調に継続中。
昨日再スタートした、降水サンプラーも問題なく稼動中。
温湿度モニタリングは、夜間に2高度間の混合比差が上昇し、最大0.8g/kgに達するが、日中は0.2g/kg程度を示す。

コメント:
今日は現在行っている観測内容をご紹介します。
今行っている観測は、水蒸気サンプリング、降水サンプリングと温湿度のモニタリングです。

水蒸気サンプリングは、船首にあるフォアマスト中段(高度15m)と、船央にあるメインマスト頂上(35m)の2高度に空気の取り込み口を設けて、室内に設置してあるサンプラー本体までホースで空気を吸引してサンプリングを行います。採取方法はいつもと同様、水蒸気を冷却凝結させる方法です。
写真2はサンプラーの本体。船のゆれ対策のため、装置はすべて紐で固縛されています。
回収は、日本時間の9.15.21時の3回で、日中は6時間おき、夜間は12時間おきに行います。

降水サンプリングは、船中央のデッキに自動降水サンプラー(写真3、以前HyARC屋上にあったもの)を設置して行っています。3時間毎に、溜まった降水のうち、10mlを自動的に保存容器に回収してくれます。こちらは、2~3日毎に保存容器の入れ替えと採取した降水の回収を行います。
また、自動サンプリングとあわせて、同じデッキ上にある、手動の採取容器でも降水を採取しています。

また、水蒸気サンプリングとあわせて、温湿度の測定と、モニタリングも行っています。水蒸気の取り込み口は、通風管になっていて、ここに温湿度センサーも一緒に設置されています。

荒天で船の動揺が激しいと、降水採取のためにデッキに出ることが難しくなりますが、デッキは見晴らしもよく、海や風を体感できて気持ちがよいです。



写真1


写真2


写真3

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