2006/12/29

堀川@みらいです。2006.12.29(金)の観測レポートです。

天候・海況:
終日晴れ。浅い積雲が広がり、ほとんどタワー状に発達しない。
波高は1m程度まで下がり、海は湖面のように穏やか(写真1)。
北東~北風で、3m/s程度。SSTが30℃を超える。

航行状況:
早朝、2回目のトライトンブイ回収・設置ポイント(2N,130E)に到着し、再び船はこのポイントに留まる。
早朝にCTDシャロウキャスト(水深1000m)、午後にCTDディープキャスト(水深4400m)が行われる。先日ご紹介した、CTDを付けた採水器を海中に投入する観測で、水深が浅いとシャロウ、深いとディープキャストという。CTD観測の合間に、午前中、ブイ16号機の回収作業が行われる。
夜にはウミアメンボの観測も行われ、忙しい一日。

観測状況:
水蒸気サンプラー、降水サンプラーともに順調に稼動中。
本日は降水なし。
温湿度モニタリングは、2高度間の混合比差0.2g/kg以下。
日中、フォアマストの温度が上がり、相対湿度が下がって、2高度間の差が大きくなる。混合比は終日フォアマストの方が若干高い。
13LSTに表面海水の採取が行われ、サンプルを頂く。

コメント:
GMS画像では、依然、航路地域を含む広域に雲が広がるが、今日は終日晴れ。1日中観測があり、船員さんは忙しい一日でした。

午前中には2回目のトライトンブイの回収作業が行われました。
まず、海底の重りから切り離されて海面を漂っているブイに、船に引き寄せるためのロープを付けに、小型の作業艇がブイに向かいます(写真2)。その後ブイを引き寄せ、慎重にクレーンで船に引き上げます(写真3)。
今日のブイには、上部にAWSなどを付けるフレームがついていません。ブイは格好の餌食らしく、盗難や破壊被害によくあうのだそうです。それを見越して、今日のブイにはAWSなどを付けていません。
しかし、海中ケーブルの一番上部のセンサーは盗難にあってしまいました。一体どうやって取ったのかと思ってしまいます。前回回収されたブイも、上部フレームに縄がいっぱいついていたり、フレームが曲げられたりしていました。ランビルでも盗難がよくありますが、残念なことです。

ブイ本体を甲板に引き上げた後は、延々とその下にある、海中のロープとセンサーの回収が行われます。水深の浅い部分にあるセンサーには不思議な貝がびっしリ付いていて異様な光景です(写真4)。観測技術員の方達が、貝取り作業に汗を流します。

明日は、同ポイントで、ブイの設置が行われます。その後、次のブイポイントへ移動して、お正月は赤道直下で過ごすことになりそうです。



写真1


写真2


写真3


写真4

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